AI時代のバックオフィス業務改善|業務整理・SOP・自動化をどう進めるか

この執筆者

鈴木 理絵(オンライン秘書 / ランサーズ事務・秘書部門3年連続1位)

元千葉県庁職員・オンライン秘書歴11年。140社以上の企業・経営者のオンライン秘書業務に携わり、現在は業務整理・SOP/マニュアル作成・バックオフィスの仕組み化まで支援しています。

「バックオフィス業務をAIで効率化したい」

「手作業が多いので、自動化したい」

「担当者しか分からない業務を何とかしたい」

こうした課題を抱えている企業は少なくありません。

生成AIや自動化ツールの進化によって、これまで人が行っていた事務作業の一部を効率化できるようになりました。

しかし、実際のバックオフィスでは、いきなりAIや自動化ツールを導入すれば業務改善できるとは限りません。

なぜなら、その前に「現在の業務がどうなっているのか」を整理する必要があるからです。

オンライン秘書として11年間、さまざまな企業の事務・バックオフィス業務に携わってきた経験から、AI時代の業務改善をどのような順番で進めればよいのかを解説します。

目次

AI導入の前に「業務整理」が必要な理由

バックオフィスの現場では、

・担当者しか手順を把握していない
・マニュアルがない、または古い
・同じ情報を複数の場所に入力している
・毎月同じ作業を手作業で繰り返している
・「昔からこの方法だから」という理由で作業が残っている

といった状態が珍しくありません。

この状態で「AIを導入しよう」「自動化しよう」としても、そもそも何を改善すればよいのか判断できません。

また、現在の非効率な手順をそのまま自動化してしまえば、非効率な仕組みを自動で動かすだけになってしまう可能性もあります。

そのため、AI・自動化を考える前に、

「現在どんな業務が、どのような手順で行われているのか」

を明らかにすることが重要です。

バックオフィス業務改善は6つのステップで考える

私がバックオフィス業務を整理する場合、次のような流れで考えます。

1.現場の業務を理解する

まず、実際に行われている業務を確認します。

担当者へのヒアリングだけでなく、既存の引継ぎ資料、マニュアル、スプレッドシート、実際の操作方法なども確認します。

ここで重要なのは、理想の業務フローではなく、「現在、本当にどうやって仕事をしているのか」を見ることです。

2.業務を棚卸し・整理する

次に、バラバラに存在している業務を一覧化します。

たとえば、

・業務名
・実施するタイミング
・担当者
・使用ツール
・作業手順
・確認事項
・関連資料
・発生頻度

などを整理します。

これによって、バックオフィス全体の業務が見えるようになります。

同時に、

「同じような作業を複数回行っている」

「この作業だけ担当者に依存している」

「この確認作業は本当に必要なのか」

といった問題も見つけやすくなります。

3.SOP・マニュアルを作成する

業務を整理したら、必要なものをSOP(標準作業手順書)やマニュアルにします。

目指すのは、

「その担当者しかできない仕事」から「手順を見れば他の人でも対応できる仕事」へ変えること。

これによって、

・引継ぎがしやすくなる
・担当者の休暇や退職に対応しやすくなる
・作業品質を一定にしやすくなる
・業務改善の検討材料ができる

といったメリットがあります。

そして実は、この「業務を言語化・構造化する」という工程が、その後のAI活用や自動化にもつながります。

4.「人・AI・自動化」に切り分ける

業務が整理されたら、初めてAIや自動化を検討します。

すべてをAIにする必要はありません。

業務ごとに、

人がやること
判断、例外対応、コミュニケーションなど

AIが得意なこと
文章作成、情報整理、分類、要約、たたき台作成など

自動化に向いていること
定型的なデータ転記、通知、ファイル処理など

に分けて考えます。

さらに、システム開発が必要なものについては、エンジニアへつなぐという選択肢もあります。

重要なのは「何でもAI化すること」ではありません。

その業務に最も適した方法を選ぶことです。

5.小さく実装する

改善案が決まったら、いきなりバックオフィス全体を変更するのではなく、小さな業務から試します。

たとえば、

「毎月手作業で作っている一覧表」

「定期的に送っている案内」

「何度も転記しているデータ」

など、改善効果を確認しやすいところから始めます。

実際に使ってみることで、

「想定していなかった例外があった」

「ここだけは人が確認した方がよい」

といったことも分かります。

6.運用しながら改善する

業務改善は、仕組みを作ったら終わりではありません。

実際に運用すると、新しい課題が見えてきます。

そのため、

現場理解 → 業務整理 → SOP化 → AI・自動化の検討 → 実装 → 運用 → 改善

というサイクルを回していくことが重要です。

AI時代だからこそ「現場とテクノロジーの間」が重要になる

AIや自動化ツールは、これからさらに便利になっていくでしょう。

しかし、ツールが高度になっても、

「そもそも何を改善するのか」

「どこまで自動化してよいのか」

「どこには人の判断を残すべきなのか」

を決める必要があります。

その判断には、実際の業務を理解することが欠かせません。

私は、これからのバックオフィス業務改善では、現場とAI・自動化の間をつなぐ役割がますます重要になると考えています。

まずは「今の業務を見える化する」ところから

「AIを導入したいけれど、何から始めればよいか分からない」

そんな場合、最初からAIツールを探す必要はありません。

まずは、

今、誰が、どんな業務を、どのような方法で行っているのか。

ここを整理するところから始めてみてください。

業務が見えるようになると、

・なくせる仕事
・簡略化できる仕事
・AIに任せられる仕事
・自動化できる仕事
・人が担当すべき仕事

も見えてきます。

AI導入そのものを目的にするのではなく、バックオフィスをより良くするための手段としてAIを使う。

これが、AI時代の業務改善で大切な考え方だと思っています。

私は、オンライン秘書として11年間培ってきた実務経験を活かし、業務の棚卸し・整理からSOP/マニュアル作成、AI・自動化に適した業務の切り分けまで、バックオフィスの仕組みづくりをサポートしています。

「業務が属人化している」

「マニュアルを整えたい」

「AIや自動化を取り入れたいけれど、どこから始めればよいか分からない」

といった段階からでも、お気軽にご相談ください。

この記事の執筆者

鈴木 理絵(オンライン秘書 / ランサーズ事務・秘書部門3年連続1位)

元千葉県庁職員・オンライン秘書歴11年。140社以上の業務整理を支援してきたプロが、バックオフィスの仕組み化やマニュアル作成から実務までを一気通貫でサポートします。

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